| 沖縄の水環境について TOPIX1 |
| ■宮古の水環境(1) −地下水の現状− |
宮古島の地下水が硝酸性窒素で汚されていると問題になったのは、昭和63年('88)に上水道企業団の水質観測値からの指摘と、「日本水紀行−神々の宿る島−」(NHK '88年 5月)と題したテレビ放映がきっかけだったといわれている。この問題提起と同時に島では、企業団や宮古広域圏事務組合、島内の4市町村で構成する「宮古島地下水水質保全対策協議会」が結成され、地下水質の保全対策にのりだした。この体制は現在も続いており、今年で14年目になる。
同協議会の結成と同時に地下水質の観測が始められ、毎年その報告書が出ている。図1の棒グラフは、初('89)年度の結果である。日本や世界における地下水保全のモデル地域として宮古島が取り上げられ、「日本の水環境行政」(日本水環境学会編, 2000年, ぎょうせい)の日本語版、英語版の両方に掲載されている。
図1. 宮古島における硝酸性窒素濃度の1989年観測値
(「日本の水環境行政」英語版より引用)宮古島のような石灰岩の島では、地表の汚染物質が雨水や排水に溶けて容易に地中に浸透していき、地下水を汚染する。今、その慢性的な汚染として硝酸性窒素汚染が沖縄全体の石灰岩の島々で起きている。沖縄本島南部では、飲料水や環境の基準値10mg/L(リットル)を超え、水道水源として使えなくなった湧水がある。一方、急性的な汚染として1971年、同湧水とその近くの水源地では、数ヶ月間取水を停止 する深刻な事例が発生した。それは上流域に位置するコーラル採掘跡に投棄された米軍払い下げ物資のドラム缶入りPCP(ペンタクロロフェノール:ベトナム戦争時の除草剤)油剤が地表に漏れ出し、地下水を汚染したのが原因であった。 すなわち、石灰岩地域ではたとえば『ざるから水が漏れ出るがごとく』地表に漏れ出た様々な液体が地中へ浸透し、地下水へ達してしまうのである。
写真1. 宮古島の白川田水源地流域