沖縄の水環境について TOPIX1
■宮古の水環境(2) −地下水の保全対策−

 前ページで、石灰岩地域では雨水や排水、あるいは地表に漏れだした液体が容易に地中に浸透し、地下水を慢性的、時に急激に汚染することを沖縄本島南部で起こった実例で紹介した。これらの事例は、宮古における地下水流域、とりわけ水源流域を保全管理していく上で最大の教訓になると思う。
 宮古島における地下水中の硝酸性窒素濃度は、昭和63('89)年ころが最も高かったといえる(図2)。その経年変化を白川田など、主要な三つの水源の値で見ると、昭和62,63年頃をピークに漸次低下傾向を示し、平成8年頃から平衡状態になっている。袖山水源(井戸)では、やや増加の傾向が見える。

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 図2. 主要三水源の硝酸性窒素濃度の推移
   (平成12年度 宮古島地下水水質保全調査報告書より引用)


 平成3年宮古島で日本地下水学会が開催され、その時発表した窒素負荷量の試算では、島全体で化学肥料など畑から約69.1%、家畜などから19.4%、生活排水から11.5%となっている。主要な水源地のある白川田流域では、畑から73.7%、家畜が22.3%、生活排水が4.0%、加治道水源のある福里流域で畑から78.2%、家畜が13.6%、生活排水が8.2%と試算された。
 今もその状況は変わっていないとすると、これらの水源流域における硝酸性窒素濃度低減化対策は、畑での施肥対策に重きを置いた方が良いことになる。今から35年前、加治道水源の硝酸性窒素濃度は、2.0mg/Lで現在値6.8mg/Lの1/3弱であった。このことから、農作物への窒素吸収効率を良くするよう施肥の方法を工夫していけば、当時の値に近づくともあながち不可能ではないと考える。

 宮古島には、地下水の保全管理について二つの条例がある。広域圏事務組合が所管する『宮古島地下水保護管理条例』(昭和47年制定)と企業団の所管する『宮古島水道水源保護条例』(平成10年制定)である。前者は島全体の地下水量の適正管理について、後者は水道水源流域の水質保全について、重点を置いている。この二つの条例が効果的に施行されることによって、宮古島の地下水が質的にも量的にも適正な保全管理が持続的に行われて行くと思う。
 水環境の保全、とりわけ水質の保全対策は、川や湖、海、そして地下水も流域(集水域)単位の取り組みとなる。幸いに宮古島においては、地下水流域が地下ダムの建設でも明らかなように、断層面などによってかなりはっきりと区分できる。宮古島地下水水質保全対策協議会では、17〜22の地下水流域に区分している。それらの中で白川田地下水流域と東添道地下水流域、福里地下水流域が、前述の条例によって水道水源保護地域に指定されている。指定地域内では、標柱や表示板によって指定地域であることを知らせると同時に、当該地域における地下水質保全のための規制行為を明記し、注意を喚起している(写真2,3)。



写真2. 水道水源保護地域の表柱



写真3. 水道水源保護地域の表示板

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