沖縄の水環境について TOPIX1
■宮古の水環境(3) −石灰岩地域の水環境保全モデル地域として−

 宮古島の地下水保全は、二つの条例によって地下水の流域単位で行われることを前回紹介した。例えば慢性的な汚染である硝酸性窒素濃度を下げるには、三つの水道水源流域をはじめとして、島全体の17〜22の地下水流域おいて、窒素の負荷量を減らす対策が必要である。三つの水源流域において、窒素負荷の7割以上が畑からだとすると、施肥対策が最も大きな課題といえる。平成8年頃から主要三水源の硝酸性窒素濃度は、平衡状態で、一部では増加の傾向も見られており、今後、よりいっそうの濃度低下を目指すのであれば、石灰岩地域における環境保全型農法開発が早急な課題といえよう。
 畜舎等から出る廃棄物については、有機肥料として農作物に吸収させるサイクル(ゼロエミッション)、すなわち地下水に負荷が少なくなるような島における窒素循環の構築を急ぐ必要があろう。
 市街地や集落等の生活排水については、地下への浸透を少なくして、浄化処理で可能な限り脱窒素を行い、その処理水を散水して植物(農作物)に再吸収させるか、あるいは島外(系外)である海域へ排出するしかない(図3)。
 

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 図3. 排水の地下浸透模式図

 宮古へ来たとき、夕方から夜にかけ西里の市街地を歩くことがある。その時、『強いどぶ臭』を感じることがある。市街地の生活や事業場(飲食店等)から出された未処理の排水が臭っていると思われる。
 市街地においては単独下水道の建設が進められ、一部地域では供用が開始されている。また、久松や高野、島尻、加治道の集落では、集落下水道が整備されている。しかしながら、供用が開始されているにもかかわらず、接続や管理の費用負担から接続率が低迷していると聞いている。供用が開始されたとき、速やかに接続し、水洗トイレを整備することは、現代的な生活を営む者の責務だと考える。
 水環境の保全対策には、流域に住み、そこで農業など生業を営み、そしてそこを利用する私達一人一人の意識が最も重要であると考える。おきなわ環境クラブでは、『自然と水環境の保全は足下から!』のキャッチフレーズで日頃活動を行っている。自分の住んでいる場所はどの川のあるいはどの地下水流域なのか、その位置を知り、さらに自分の排出した物は、捨てたごみは、どこへ行くのかを確かめることが肝心と考える。

写真4. 前井(まいがー)

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