沖縄の水環境について TOPIX3
■国場川河口干潟『漫湖』の自然と環境 (3)

−漫湖の保全への取り組み−

 西表島や沖縄本島の億首川、大浦川のマングローブ前縁部では、生態的(物理・化学・生物)要因により、その広がりが自然に制限されている。しかし漫湖ではその制限力が弱い。流域からの土砂・ゴミの流入が続くのであれば、対処療法としてその分布(広がり)を人工的に制限・管理することが必要になると考える。そのための定期的なマングローブの間引きや河床と湖底の浚渫が考えられる。
 漫湖のマングローブ管理には、1) マングローブや汚濁物質の栄養(有機物)供給源としての役割、2) 開放的な湿地(干潟)の確保、3) 河積阻害(流れの妨げ)の回避、4) シェルターとしての役目、などの面からの判断が必要と考えられる。そして、そのための定量的な基礎データが必須になると思われる。
 ところで漫湖の水質が良くなった一方で、ペットボトルや発泡スチロールなど分解しにくいゴミの汚れが目立つ様になった。今、漫湖はさながら生活ゴミの展示場だ。国場川と饒波(のは)川の流域に住む人、生業を営む人、そして利用(通行)する人まで含め、流域で行われる様々な人間の活動・行動の結果が河口の漫湖に現れる。そのことから河口は、川とその流域を写す『かがみ』といわれる。漫湖の漂着ゴミは、そのことを端的に示している。従って、漂着ゴミは環境の指標であり、最適な教材といえる。漫湖の漂着ゴミについては、特に上流の与那原や大里、東風平、南風原の方々に参加を呼びかけ、その数と種類の調査や清掃など、様々な活動が必要であり、それを継続していくことが最も有効な環境教育であり、また保全対策になると考える。


写真7. 国場川河口右岸(漫湖北岸)の漂着ゴミ


写真8. 饒波(のは)川河口のメヒルギの広がり

  最近、漫湖に渡来する鳥の数が減ってきていると、沖縄野鳥の会は言っている。考えられる要因として1) 橋や道路、ビルなど構築物の増加、2) 交通騒音やライトアップなど環境の変化、3) 漫湖と干潟の面積減少、4) 流入有機物量と底生(餌)生物の変化、5) 世界的な水鳥の減少、6) 鳥の渡りのコースの変化、7) 国内・県内での飛来地の変化、などが考えられる。専門家による原因解明が急がれる。
 3年前、ラムサール条約登録を契機に漫湖をとりまく環境や水鳥・マングローブなどの生き物について県民の間に関心が高まった。今、改めて漫湖のもつ価値や位置づけを確認し、理解を深め、これからの漫湖の保全・管理や活用をどうすればよいかを討論する場が求められている。


写真9. 国場川河口左岸(漫湖南岸)の清掃


写真10. 漫湖南岸でMyキーフジを植える親子

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